連載「INSIGHT」世界 2005年2月号
激動するエネルギー情勢を見る視点
1.日本への原油入着価格の上昇
- 円高基調による相殺にもかかわらず、2004年の円建てベース原油入着価格は1バーレル当たり3,941円で、1995年の1,694円と比べ2.3倍に
- 1バーレル当たり1ドル上昇で1日約5億円、1年で1,800億円の石油代金増となる計算
2.中国のエネルギー消費の増大
- 2004年の中国の石油消費量は630万b/d(前年は549万b/d)
- 石油消費量のうち輸入量は260万b/d(前年は185万b/d):1993年に輸入国へ
- 2020年までに原発100万kw級30基建設計画:3,600万kwへ(現在は9基で700万kw)
- 2003年末の総発電量2.19兆kwh(前年比14.8%増)、うち7割が石炭火力。電力不足深刻で、2020年までに総発電能力を9.5億kw(2003年現在3.8億kw)へ拡大計画(日本の発電量は1.2兆kwh、能力2.7億kw)
3.インドネシアの石油輸入国への転換
- 生産量の低下(2000年の130万b/dから2004年には90万b/dへ)
- 輸入量は2000年の20万b/dから2004年には90万b/dへ
- アジアでの供給余力の限界:中東依存の深化
- 2004年9月に外資による製油所建設を許可
4.ロシアの石油増産
- 2004年のロシアの石油生産量は923万b/d(前年849万b/d):世界一の産油国へ。ただし供給余力は限界に近いとの見方が有力(1,100万b/d前後が上限か)
- 米露石油同盟:米系メジャーの古井戸へのリハビリ参画(9.11以降の米露関係を背景)
- ロシア経済の好転とプーチンの過剰なまでの自信回復
5.エネルギー価格形成要素の変化--実需給関係からの逸脱
- WTIの構造が象徴:実需70万b/d、取引1.5億〜2.0億b/d
- エネルギー価格形成での投機的要素:冷静に見れば需給不安なし
- OPECの思惑:高値安定化志向(需要増大基調と供給余力)

