連載「INSIGHT」THE WORLD COMPASS 2004年3月号
驚くべき中国の経済統計数値
昨年の中国に関連した統計が届くたびに驚嘆している。SARS騒ぎでの失速が懸念されていたにもかかわらず、実質GDPは前年比9.1%の成長だった。生産指標のシンボルともいえる粗鋼生産は2億トンを超し、日本の1.1億トンの倍の水準となった。
驚くべきことに、中国の高速道路の建設は昨年4,600キロで、総延長は2万9,800キロに達したという。国土の広さ、社会主義国としての土地収用の容易さなどを考慮しても、ものすごい勢いでのモータリゼーションの進行が読み取れる。昨年の自動車販売台数は439万台で、このところ600万台に張り付いている日本の自動車販売台数を3年以内に超えていくであろう。自動車保有台数も2,100万台を超え、本格的な自動車社会の到来を認識せざるを得ない。
IEAが発表した昨年の中国の石油消費は549万b/dで、日本の542万b/dを抜いて世界2位になった。中国が石油の輸入国に転じたのが1993年であったが、実質8%成長の持続のなかで石油消費が増え続け、ついに日本を追い越したのである。国際石油需給に与える中国要素は極めて重要になりつつある。
中国経済の不安材料を挙げろと言われれば、いくらでも指摘できる。不良債権の潜在、内陸と沿海の経済格差、共産党一党支配の限界など気掛かりな要素はたくさんある。しかし、かつて高度成長期の日本がそうだったように、スピードが、内在する問題を覆い隠して走る時期がある。現在の中国を見ると、少なくとも北京五輪あたりまでは猛スピードで駆け抜けそうである。

