寺島実郎の発言

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連載「INSIGHT」THE WORLD COMPASS 2003年3月号

三井物産の時価総額

興味深い資料を眺めている。1985年からの日本の上場企業の時価総額ランキングの推移である。無論、時価総額だけをもって企業経営を評価する考え方には組しない。しかし、時価総額は「市場の評価」を示す指標として、一定の関心を払うべきものでもある。

その中で三井物産を見ると、1985年には91位、90年には63位、95年には49位、2002年末は54位となっている。決して満足できる位置ではないが、意外に安定しているともいえる。銀行の低落など驚くべきものである。1985年のランキングでは第一勧銀を筆頭に上位10位のうち6社が銀行であり、90年は実に7社が銀行であったが、2002年ではかろうじて三菱東京フィナンシャル・グループが残るのみである。

2002年末のランキングでは、トヨタ、NTTドコモ、NTT、ソニー、武田薬品、ホンダ、日産、キヤノンなどの技術志向のモノつくり企業が上位を占めるなかで、流通では、セブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂の健闘が目立つ。市場の評価は、健全かつ堅実ともいえよう。

業界そのものの浮沈、業界の中での企業間格差の顕在化、恐ろしいまでに経済と産業が激変していることがこの資料から浮かび上がる。市場の評価を高める「いい仕事」を創造し、着実に時価総額を上げていく経営、それを目指したいものである。まずは、現在の三井物産の時価総額(8,774億円)を2倍にする経営を目指すことで、そうすれば、ランキングは20位以内というイメージである。