寺島実郎の発言

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連載「INSIGHT」THE WORLD COMPASS 2002年11月号

人口構造の成熟化をにらんで

2006年に日本の人口はピークを迎え、それからは減少を続けると予想される。2050年には、一億人を割るといわれる。移民政策の変更など、よほどのことがないかぎり、この予想は当たってしまうであろう。私見だが、1億人程度で「静止人口」にする努力を始めないと、日本民族は急速に衰亡のサイクルに入っていくのではないか。

戦後の半世紀、われわれは人口が5,000万人増加するという環境を背景としてビジネスを企画し、活動してきた。これからの半世紀は、人口が2,700万人減少するトレンドのなかでの勝負となり、これはいかなる企業にとっても未体験ゾーンである。根本的なビジネスモデルの再考が求められる。

しかも、高齢化にも拍車がかかる。日本の人口に占める65歳以上の比率は50年前は5%だったが、今は18%、2050年には36%になると予想される。18歳以下の人口は、これからの半世紀で1,000万人以上減ることになる。これも尋常ならざるインパクトをあらゆるビジネスに与えるであろう。

例えば、65歳以上の人の平均医療費支出は、18歳以下の人の5倍とされ、「医療」にかかわるビジネスモデルが研究開発の対象となるであろう。すでに、日本の地方都市では、人口構造の成熟化は前倒しで進行しつつある。人口右肩上がりを前提としたビジネスモデルの構造転換を深く静かに考えるべきである。