寺島実郎の発言

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連載「INSIGHT」THE WORLD COMPASS 2002年2月号

社長年頭の辞を読み込む

経営者の年頭の辞は、儀礼的なものと受け取られがちであるが、思慮深く経営者の問題意識を共有することが重要である。三井物産の清水愼次郎社長の年頭の辞は、マスコミ受けするキャッチフレーズなどを抑制しながらも、経営意思が鮮明に表れ出た内容であった。

まず、環境認識について、現状解説ではなく、ビジネスの現場に立つ人間として、「同時不況」といわれる厳しい環境に対し、いたずらに悲観せず、環境変化のダイナミズムをとらえ積極布陣すべきことが強調されている。新しい技術開発パラダイムへの注目、大中華圏への布石、戦略的な産業再編・連携への先行布陣など、鋭い問題意識をもって受け止めるならば、重要な示唆が内包されている。

また、重点方針の中に見られる「(1)コア・ビジネスの強化を通じた総合力商社、(2)M&Aなど突破型戦略の展開、(3)経営総体の変革」などのキーワードも、単なる題目ではなく、当社が置かれた状況を熟慮した、ギリギリの戦略基軸が表現されていると考えるべきである。これらの言葉が、自分たちの仕事の現場でいかなる意味を持つのかを真剣に考え抜くべきであろう。

戦略研究所としては、これらを営業現場に展開するときの、サポート機能が重要と考えており、情報力と専門性において一定の役割を果たしたいと思う。特に、コーポレートの立場から、新しいビジネスモデルを創造するうえで、全社にシナジーが生まれる方向付けを模索したいと考える。